今日は、ランボーの『地獄の季節』から「錯乱II−言葉の錬金術−」の章を読んでみました。散文と韻文が交互に置かれた、自作アンソロジー紹介のような文章ですが、そこには、「新しい詩学」を求めつつ、自我の変革を遂げようとする話者の実存的な試みも感じ取ることができます。これまでの修行の道のりを回顧している点で、あるいは、報告される過去と現在が切れている点で、一定の余裕はあるのですが、しかし、報告される語りの内容そのものには、ある激しいテンションがかかっていて、様々な解釈を誘ってやまない濃密さを湛えているように思われます。次回は、ゾラのベストセラー小説『居酒屋』を紹介する予定です。