梅雨入り

今日は、まず、「エレーヌ」のコマンテールの残りをざっと説明したのち、「オルフェウス」の1891年のテクストをひととおり読みました。ヴァレリーギリシャ好みを語るならば、「エレーヌ」よりは「オルフェウス」のほうがより適切でしょう。建築と音楽の一体性は1921年の対話篇『ユーパリノスまたは建築家』の大きなテーマのひとつですが、それは1891年の散文「建築家についての逆説」で既にメインテーマとなっていて、その散文のラストを飾っていたのが「オルフェウス」です。ところで、このソネットはのちの1926年に大幅に手を加えた形で『旧詩帖』の三つ目の詩となります。来週は、まず1926年版をひととおり読み、余裕があれば1891年版のホワイティングさんの注釈を読みましょう。東北地方、ようやく梅雨入りです。ジトジトに負けず、ヴァレリーの詩を読んでいきましょう。では、また来週。