今日は、クラシック・ラルース版『魅惑』所収の「ナルシス断章」について、まずロベール・モネスティエさんによるイントロダクションを読んでから、さっそく本文の読みに入り、15行目まで、読みました。第一断章は148行ありますが、千里の道も一歩から、です。詩を読むときは、統辞(統語または構文と言っても同じです。コトバの文法的つながり、修飾・被修飾関係)に注意して、盛られた情報の正確な理解を期すと共に、喚起されるイメージの論理を最大限に重視することが肝心です。ひとつひとつの単語の膨らみ(ヴァレリーは語源的な意味やイメージの含みを重視する詩人です)を味わいつつ、ぴったりしたイメージ(これもひとつに決まるわけではなく、複数の像が重なることも多くあります。今日のところでいうと、たとえば10行目のnapeeには、ニンフのナペーのイメージと泉の水面のイメージが重なっていました)を思い浮かべられるところまで、じっくり読む技量を、この授業をひとつのきっかけにして、磨いていただきたく思います。次回はとりあえず47行目あたりまでは進みたいと考えています。準備をよろしく。