今日は、ゾラの『居酒屋』から、第2章冒頭部の飲み屋「アソモワール」の店内の印象派絵画のような描写、とりわけ、蒸留器の奇怪な迫力と、40歳の太った店主に10歳の少女が酒を200円分(4スー分)コップにくださいと頼むシーンをゆっくり読んでから、宮下志朗先生の『読書の首都パリ』(みすず書房、1998年)のなかのゾラを論じた文章を参考に、浸潤する水のテーマ系と、マネの絵画に影響を受け、文学で印象派を表現しようとしたゾラの言葉を紹介しました。講義そのものは本日で終わりとし、アンケートを実施いたしました。来週は予定通り筆記試験を行います。「18世紀後半〜19世紀末のフランス文学のなかから関心のある作品を選んで、テーマを設定し、2000字〜2400字程度(回答用紙2枚程度)で論じなさい。資料等の持込は不可とします。」力作を期待しております。