今日は、先週の続きで、ヴァレリードガ ダンス デッサン』の断章「床と不定形なものについて」の後半部を読みました。大芸術家におけるインスピレーション全開の稀な瞬間では、感受性と芸術手段が即応した融合状態に達するけれども、それは断片的でしかありえない。ゆえに、その穴を埋めるための、知識や技術の修練が必要で、特に、解剖学と遠近法の知識は意味があるが、現代芸術はそうしたことに注意を払わないのは残念だ、というのがヴァレリーの意見でした。「観ていると思っているもの」と「観ているもの」は違うということについて、ジャルティさんが脚注で引いていたカイエの断章の「ノートル=ダム体験」はたいへん興味深いものでした。資料を準備してくださった発表者の方に感謝です。授業は来週が今期ラストになります。