今日は、ユイスマンス1881年の小説『流れのままに』からフォランタン氏の定食屋放浪記の続きを最後まで、読みました。p.333の最後の部分、今、大騒ぎしながら飯を食らっている学生たちが、やがては、偉くなって、名誉や地位で腹いっぱいになるのだろうか、と考えて、フォランタン氏は吐き気を覚えます。ここでのフォランタン氏の気持ちはおそらくユイスマンス自身のそれに近いのではないかと思われます。辛口の鋭い観察眼――ユイスマンスの文章の魅力のひとつですね。次回は、セーヌ河岸の古本屋(ブキニスト)を描いた73番のテクストの読みに入ります。少なくとも二ページ分は予習をよろしく。