今日は、ソネット「眠る女」の本文を、ひととおり読みました。モネスティエが「ヴァレリーの最も完璧に成功した音楽的作品」と形容する通り、アリテラシオンがふんだんに用いられていて、印象に刻まれる詩句が多く見られます。5行目については、文芸批評家のブレモン神父が「魔術的な魅惑をもつ詩句」と絶賛しています。眠る女を見る男(詩人)は、眠る女の外形の美を堪能する一方で、その内面の秘密(夢や思考)に入り込もうとして入り込めない焦燥も感じていて、そうした両面性が、時折現れるオクシモロン(「打ち勝ち難い凪」「影の黄金」)にも投影されているようです。次回は、この授業の最終回となります。ワルゼールによる解説を読む予定です。予習をどうぞよろしく。