今日は、p.1190の上から9行目まで、読みました。話題は絵画から建築に移ります。ほとんど文明の同義語と言ってもよい都市を構成する大建築物と、レオナルド的知性との関係を活き活きと描いているpp.1188-1189の部分は、久しぶりに「ヴァレリー節」が炸裂していて、読んでいて書き手の勢いを感じる部分です。語りが熱を帯びてくると、いわば詩的な熱狂に火がついた状態となって、面白い比喩や例をいくつも繰り出してくる癖がヴァレリーにはありますが、ここはまさにそういう箇所です。ここには、1894年6月のロンドン滞在の折、シティー金融街)を歩き回った経験がいくらか響いているかもしれません。次回も5頁程進む予定ですので、予習をどうぞよろしく。