今日は、ヴァレリーの「レオナルド・ダ・ヴィンチ方法序説」の冒頭部を読み、そこに、デカルトの「方法序説」と似たところを読み取ろうとしてみました。ヴァレリーの「萌芽germe」はデカルトの「良識bon sens」とよく似た人間認識です。この先験的な原理はすべての人間(「我々」)に共通していると、まずは確認したうえで、今度は、その適用、つまり後験的な実験の試みに「私」が移っていくという論の運びも両者共通です。ヴァレリーは執筆の過程で冒頭部を「私」の書出しから「我々」の書出しに改めていますが、これもデカルトの「方法序説」の冒頭部に近づくことを示すもののようです。さて、年内はこれで終わりです。次回の資料(カミュ)を配りました。それではみなさん、どうぞよい年末年始をお過ごしください。