今日は、コレットの『シェリ』を読みました。新感覚派的な色彩表現や食べ物・飲み物の描写が二人の愛の描写と不可分であることを見ました。ちょっとしたディテールですが、レアがシェリのために取っておいてくれた「1889年」の古いシャンペンという記述が出てきます。これは、フランス革命百周年の年、パリ万博の年、エッフェル塔スタートの年で、華やかな記憶に彩られた年号です。レアの心遣いと、やがて破局へと落ちていく二人の物語を彩る細部として効果的でした。来週は、パリの恋物語というつながりで、一風変わった恋物語ブルトンの『ナジャ』を読む予定です。