今日は、プレイヤード版p.1176の上から5行目まで、読みました。p.1174からp.1175にかけての1930年の欄外注のテーマは、一言でいえば、物理学におけるイメージ(図形)の後退とシメトリー(数式)の前景化です。詩人ヴァレリーはイメージの後退という現状に寂しさを感じているように思われます。第26段落以降、レオナルド・ダ・ヴィンチという精神の運動をめぐる活き活きとした「描写」が続きます。迫撃砲の弾丸の飛ぶ様子を「見事な花束」と形容するヴァレリーのセンスはイメージ豊かな詩人のそれですね。では、また来週。