今日は、「ビストゥリ嬢」の最後まで、読み終えました。リアルで活き活きした描写と知的な分析は、ボードレールのテクストの大きな魅力です。「こんな特殊な情念が君のうちに生まれた時期ときっかけを思い出せるかい?」と「私」が問うと、彼女は眼をそらしさえして、「わからない、思い出せないわ」と、苦しげに答えるシーンは、とても印象的でした。それと、お気に入りのかわいいインターンの若い医師には言えない、彼女の願望もまた、強い印象を残します。あれこれ詳しく調べてみたい欲求を抑えつつ、次に進みます。次回は「英雄的な死」に入ります。予習をよろしく。