今日は、「レオナルドと哲学者たち」の続きで、p.1242の下の一行空きのところまで、読みました。前回やや急いだ部分の復習にゆっくり時間を費やし、ヴァレリーのアンチモデルニテ論の例を、「ドガ ダンス デッサン」と「イタリア美術展に寄せて」から選んで、紹介しました。さて、「美」は今や時代遅れの言葉になってしまったが、美をめぐる諸問題は今も続いている、とヴァレリーはいいます。哲学者からは無視されてきたが、芸術家にとってはしばしば切実な問題として現れる諸問題の一例として、ヴァレリーは、「構成」の問題を取り上げ、その多次元性、複雑性を強調していました。「構成」は他のテクストでも重視される概念ですが、まとまった記述があまりないので、このp.1242の記述は割と大事です。それでは、また来週。