今日は、先週のヴァレリー紹介記事の残りの部分を、ゆっくり読んでいるうちに、時間になってしまいました。ジッド宛てのヴァレリーの手紙にある自己分析のことば「私はあらゆる矛盾の幾何学的な場である」は面白い表現でした。ヴァレリーの詩や文章の特徴が、抽象と具象、知性と感性、エレガンスとユーモアといった相互に対立する要素を共に含みこんだ複雑な味わいのうちに存することを、モネスティエは的確に描きだしていました。これでイントロダクションは終わりです。いよいよ来週から、ヴァレリー青年期の傑作「ナルシスは語る」をじっくりと読んでいきます。余裕があれば、ホワイティングの注釈にも目を通してみてください。では、また来週。