開講しました!

 本日、開講しました。今日は、ヴァレリーの1929年の散文「レオナルドと哲学者たち」のテクストを配付し、さっそく冒頭部分を(p.1235の下から5行目まで)読んでみました。このテクストはイタリア出身の作家レオ・フェルレーロ(1903−1933)のデビュー評論『レオナルド・ダ・ヴィンチまたは芸術作品』(1929年刊)の序文として書かれました。序文といっても、フェルレーロの本の全体約240頁のうち80頁ほどを占めるという長いものです。ヴァレリーがフェルレーロを高く評価していたことは、この序文の長さだけでなく、アメリカ旅行中に自動車事故で急逝したフェルレーロの死を悼む「注記」(1936年刊行の『ヴァリエテ』第3巻にのみ収録)の文章の温かい濃密さからも明らかです。「レオナルドと哲学者たち」の基本テーマは美をめぐる考察です。これから、どのような文章が展開されていくのか楽しみです。来週から、訳読に入りますので、予習をよろしく。