今日は、アンドレ・ブルトンの『シュルレアリスム宣言』(1924年)と『ナジャ』(1928年)を紹介しました。「うろたえた目撃者」にしかなれない「断崖型の事実」は、一線を超えると「自分自身との平和な関係の完全な喪失」に至ってしまうかもしれない危険な事実だが、それによって自分自身は深く魅了され、自分自身の理性や想像力がいっそう自由になっていると感じることは確かである、と、ブルトンは『ナジャ』のはじめのほうで書いていました。そのような断崖型の事実のぎりぎりの経験がナジャと過ごした奇跡の日々だったのでしょう。感動的なテクストです。来週は予定通り、筆記試験を実施します。課題は以前お伝えした通りですが、以下に再度記します。
 (ボードレールフローベールを含む)19世紀後半以降のフランス文学のなかから関心のある作品を選んで、テーマを設定し、2000〜2400字(解答用紙2枚)程度で論じなさい。資料等の持ち込みは不可とします。
 力作答案を楽しみにしております。