今日は、セレレット=ピエトリの論文「ナルシスの変貌」(1974年)を、ついに読み終えました。ヴァレリーの作品「ナルシス断章」の研究論文としては、全体で20頁と短いながらも、内容的には、情報量の豊かさと思考の緻密さの点できわめて濃密であり、教えられるところの多い、じつに充実した研究でした。みなさんそれぞれの研究アプローチの参考にしていただければと思います。最終回の来週は、だいぶ以前にお配りした、ミシェル・アキアンさんの論文「〈断章〉の断章:鏡のテクスト「ナルシス」の異文についての観察」(1992年)にざっと目を通し、特に面白い点があれば拾ってみたいと思っています。