今日は、セレレット=ピエトリ論文のp.23の節の切れ目のところまで、読みました。夜になって肉体と離れざるをえないナルシスの魂の嘆き、肉体と本性を共有する(ルクレティウス)がゆえにそれとの別離は耐えがたい魂の苦悩。肉体の復活を激しく望む魂というテーマをめぐって、セレレット=ピエトリ先生は、『覚書と余談』の一節を引いておられましたので、原テキストに戻って、少し詳しく読んでみました。肉体の回復を考えるトマス派の教義にヴァレリーは「ひそかな好意」を抱いているということが感じられます。魂と身体の関係をめぐるヴァレリーの文章は、「ナルシス断章」のほかにもいろいろあるので、幅広く検討してみると面白いかもしれません。