今日も、セレレット=ピエトリ論文の読みの続きです。p.21の真ん中、節の終わりまで読みました。細部の濃密な分析が凝縮したかたちで言及され、全体の論の道筋を見失いそうですが、なんとか持ちこたえて、読み進めています。1920年の事件で混乱した〈自我〉の修復作業が作品にも影響しているのでしょうか、「断章」や「ユーパリノス」における(完全な自我の達成の一環としての)身体礼賛のテーマが、p.18からp.19あたりの議論で浮き彫りにされていました。続く節では、単なるイメージとしての鏡像が現実の肉体を持った「分身」として泉から外に出てきてほしいと願うナルシスの願望が、後年の「ナルシス・カンタータ」を引きつつ紹介されていました。次回は12月14日となります。あと二節です。頑張って読み通しましょう。