今日は、p.1184の上から12行目まで、読みました。マラルメドガの微妙な関係、というか、一方的なドガの悪さに対してマラルメが(おそらくはかなりの程度)傷つくという構図の反復が描かれます。p.1182からp.1183にかけてのところ、息の長い文章が続いていますが、構文をしっかり把握して、表現のニュアンスを味わいましょう。大衆受けを狙う作家vs大衆を軽蔑する作家、多数の論理vs少数の論理、merde対diamantの構図が、くっきりと浮き彫りにされているところなど、ヴァレリーの文章の鋭利な味がよく出ているように思います。せっかく美術学校でのドガの絵の買い上げに奔走してやったのに、美術学校嫌いのドガが怒り狂って、その話を断ったという、ドガマラルメの悶着を示す最後のエピソード、エルネスト・ルアール夫人(=ジュリー・マネ)から聞いた話として紹介されているマラルメの言葉(「自分が怒るならば、抑制のきいた美しい怒りをしたいもので、あんな〔ドガのような〕粗野な怒りはしたくないものですね」)には、マラルメの穏やかなりに激しい怒りが滲んでいて、印象的でした。さて、この授業も次回で最終回です。「ドガと大革命」の残りを片づけてから、次の「話題いくつかPropos」を読みましょう。予習をよろしく。