今日は、p.1305の最初の段落の終りincomparablesまで、読みました。p.1304の下段のDigression以下は、いわば追記のようなもので、ここでヴァレリーは、ベルト・モリゾに直接関わる話からいったん離れて、「外的世界」の見えるものを見る(ベルト・モリゾ的な)目の生活に対して、神秘主義的な「内面」の観想生活を対置して、一般的な考察を展開しています。ヴァレリーは、多くの聖者の言説などに見られる、感覚を敵視する考え方は、じつは堅固さに欠けるのではないか――彼らの「魂の生活」の探究に、たとえば(肉体的な)欲望が混じって、それが大きく成長することだってありうるのではないか――と異議を唱えています。さて、次回でこの授業も最終回となります。来週は残りを全部読み終えます。予習をよろしく。
 本日、レポート情報のアナウンスをしました。課題は「文章作家と美術」、字数は3000字程度、提出期限は2011年1月25日(火曜日)18時、提出先は今井研究室入口ポスト、です。締切厳守でお願いします。成績評価は既にお知らせしてある通り、出席訳読50%、レポート50%となっています。力作レポートを楽しみにしております。