今日は、ヴァレリーの1928年1月28日のフランス哲学協会における講演「芸術の創造」の読みに入り、p.290の下から11行目まで、読みました。ヴァレリーは、自分の知的人生は、思想と詩作の二つの部分から成り、その二つは相互に密接に関係している、として、では、一般的で理論的な考察(思想)が具体的な芸術制作(詩作)にどのような影響を与えるか、という問題を提起します。ヴァレリーは、ワーグナーの言葉を引いて、情念と「理論的省察」の二つの条件の協和の素晴らしさを強調し、抽象的な能力の使用は、芸術制作と調和するだけでなく、作品の効果を最高度に至らせるのに不可欠だと断言します。たとえば、作曲家が用いる記号はオーケストラの大宇宙を実現する、という例を挙げています(これは1935年の講演でも触れられます)。では、文学の場合はどうか? この先は来週読みましょう。