今日は、1926年のテクスト「ベルト・モリゾ」の読みに入り、p.1303の真ん中上のcommencer par le commencement.まで、読みました。1932年の「マネの勝利」と1941年の「ベルト・モリゾについて」を、私たちは既に読んでいるわけですので、時間をさかのぼるかたちでこの1926年のテクストを読んでみると、後年のテクストに現れる表現と同じ表現がそこここに既に用いられていることに気づきます。モリゾの沈黙の威厳については先週読んだ1941年のテクストの最後のところとほぼ同じですし、モリゾの表情と大きな目について触れた部分は1932年のテクストの最後のところと共通点が多々あります。ヴァレリーの自己参照の様子(かつて書いた文章を参照しながら新しい文章に取り入れていく姿)が観察できます。来週は宮下志朗先生の集中講義がありますので、次回は来来週の12月21日となります。それでは、また。