今日は、文学部一年生の必修科目「人文社会総論」(25の専修のリレー講義)のフランス文学の担当日で、不肖私がお話をさせていただきました。クリステヴァの「間テクスト性」の概念を導きの糸として、ボードレール散文詩パリの憂鬱』から「駄目なガラス屋」という楽しい詩をめぐって、文学テクストを読むこと、文学テクストを研究することについて、大雑把なお話をさせていただきました。「気になる」段階から、ほかのテクストとの関連を探り、テクストを相対化して「比較する」段階へ、どのように移っていくのかを示したつもりです。まずポーの「天邪鬼」という短編が青写真として存在し、さらに、アンチテーゼとしてウーセイの「ガラス売りの歌」というテクストが存在することを述べて、ボードレールの「駄目なガラス屋」がそれら他のテクストと緊密な関係を結んでいるということを指摘しました。何か参考になるところがあったら嬉しいです。