今日は、ついに、p.147のラストまで、読み終えることができました。昨年4月からずっと読んできて、全部で25回かけて、プレイヤッド版で69ページ分のテクストをひととおり熟読したことになります。けっして易しくはない、実に凝ったフランス語のテクストを、わからない部分を残しながらも、こうして、とにかく全部読み通すことができたというのは、大学の演習ならではの醍醐味です。派手なところの全然ない、ある意味では退屈な、ヴァレリーの対話作品を、辞書を引きながら、ゆっくり訳読していくという身振り。こうした身振りの反復経験が、参加された皆さんの今後に、多少なりとも参考になる点があればよいなあ、と願っています。もう終わりにしてもかまわないのですが、「ユーパリノスまたは建築家」を読んだついでに、次の最終回は、ヴァレリーの若いころのテクスト「建築家についての逆説」(1891年)にざっと目を通すことにしましょう。建築と音楽の親和性はそこですでに指摘されているというのが面白いですけれども、円熟期の「ユーパリノスまたは建築家」(1921年)に比べると、テクストの感じがずいぶん違うということにも気がつくと思います。そのあたりのことに注意して、予習をよろしくお願いします。では、また来週。