今日は、p.1170の下から2行目まで、読みました。ダンスについての基本的な考察です。ヴァレリーの文章は、一見難解なのですが、それは、無意味に煩瑣な難解さではなく、思考の運動のルポルタージュ的な表現であることからくる難解さの印象です。今日読んだところも、読みにくいところが多くありましたが、それでも、濃密な文章をたどっていくと、文章の論理が次第に明確化していき、読む側も一緒になって、ヴァレリーの表現の流れに乗っているような感じが出てきます。人間の運動には大きく分けて二種類があり、ひとつは、最小値で動こうとする経済原則に則った運動(目的が達せられれば終わりとなる運動)であり、もうひとつは、エネルギーの発散そのものを目的としているような(あるいは無目的な)運動である、とヴァレリーはいい、どうやら、後者の運動に属するひとつの見事な典型として、ダンスというものを考えようとしているようです。毎回一ページをしっかり読めば、あと三回で読了できる計算です。予習をよろしくお願いします。それでは、皆さん、よい冬休みをお過ごしください。