今日は、レイの論文のp.22の終わりまで、読みました。リスボン街のルアール・コレクションを実地に眺めた経験が、19世紀画家をめぐるヴァレリーのさまざまな文章のうちに、十分に生かされている、ということが強調されていました。レイさんは、その一例として、1932年のヴァレリーのエッセー「コローをめぐって」を取り上げ、このエッセーの其処此処に見られる鋭い観察には、ルアール家で実際に絵画(たとえば「ローマの田園の水道橋」)を眺めて過ごしたヴァレリー自身の経験の裏打ちがあるはずだ、と指摘しています。その後、話題は、コローからドガに移っていくところで時間となってしまいました。次回は、残りの文章を片付けてから、本日配付しました「コローをめぐって」について、お話する予定です。配付プリント(ランベール版仏語テクストと吉川逸治による日本語訳)の残部を私の研究室入口レターボックスに入れておきます。とりあえず、日本語訳にざっと目を通し、興味を引く部分だけフランス語を眺めるというかたちで結構ですので、予習をよろしく。