今日は、p.1166の9行目まで読みました。p.1165の真ん中あたりで出てきた「〔さすがの〕アルセストも、彼〔ドガ〕の横では、弱くて御しやすい男に見えたことであろう」という表現の味わいを知るには、アルセストがモリエールの喜劇『人間嫌い』の頭がよくて正義感が強くて怒りっぽい主人公であることを知っていることと、議論好きでキレやすい激情家で自分に厳しかったドガという説明の文脈をつかんでいることと、条件法過去第二形(接続法大過去)の知識が必要ですが、基本的には「慣れ」だと思います。この程度の文章はフランス文学のテクストには普通に出てきます。これからこういう文章をたくさん読んで、表現に慣れていってください。さて、話題は、ドガの剛直な性格についての話から、ドガの友人であったアンリ・ルアール氏の話に移っていきます。ヴァレリーレオナルド・ダ・ヴィンチに似て万能な精神の持ち主であるルアール氏をとても尊敬していたようです。来週は、p.1167の1行空きの部分まで進む予定です。予習では、辞書を引きまくって、わかるまで(自分にとってわからない部分がはっきりするまで)調べることは当然ですが、同時に、必ず、テクストを朗読してみることが、文章のより深い理解のうえで大切です。音読を習慣化してくださいますように。では、また来週。