今日は、前回やや急いで読んだところをゆっくりめに復習してから、ランベールさんの版で「似ていることと芸術と」の続きをp.227左側ページの11行目まで読み進めました。ヴァレリーの味わい深い文章を急がずじっくり追いかけていると、ついつい、浮世の時の流れを忘れます。相変わらず、基本的なモチーフとして、古典主義芸術のやり方(技量・熟練といった単語群で示される)vs 現代芸術のやり方(偶然・早さといった単語群で示される)、という対立関係がはっきりとあります。ランベール版に挿入されている、女流肖像画家の前でポーズをとるヴァレリーの写真を眺めていると、たとえば、p.226右側の下のほうに出てくる、顔の把握とその表象努力に関するテクストの独特のリアリティが、いっそう強く感じられるように思います。テクストの道草をする時間が長くなっておりますが、来週には残りを片付けたいと思います。予習をよろしく。