今日は、p.85の下段のパイドロスのせりふ(「それはまさに私に起こったことでした」)まで読みました。相手の表現を模倣や否定でもじってみたり、意味価値的に反対となるような言葉で受けたり、といった、漫才的要素は今日読んだ部分でもいくつか見られました。「実行に細部なし」というユーパリノスの教訓を、ソクラテス先生が、演説や愛の告白などの言語表現の例(どんなに重要な演説も、細部のちょっとした表現の重みで成り立っている)と、医学における手術の例(どんなに優れた外科医も、糸や針といった小さな道具の消毒が不十分ならば、人を死に至らしめることがある)をあげて、コメントしてくれました。ソクラテスの理屈っぽいシンメトリックな語りがいかにも哲学者然としていて面白いと思います。今日は、「譲歩」(たとえ[どんなに]〜であるとしても/〜であるにせよ)の構文がたくさん(少なくとも四種類)出てきました。慣れていない人は、例文を辞書で探して、十分に研究しておいてください。では、また来週。