開講しました!

 「パリをめぐる文学散歩」というテーマで、パリを舞台としたフランス文学の作品を読んでいきます。教室が当初の810から609に変更となりましたので、ご注意ください。最初に授業概要と成績評価の方法を確認してから、さっそく、パリ案内を兼ねて、フローベールの『感情教育』を紹介しました。黒板に一万分の一のパリの地図をテープで止めて貼り、セーヌ川、左岸、右岸、カルチエラタン(学生街)、チュイルリーの北・ヴァンドーム広場あたりからアンヴァリッドを結ぶ線(ブルジョワ&貴族の高級住宅街・上流社交界)、ポン=ヌフ橋、などなど、パリの地誌的・社会階層的な基礎区分を、ブルデューの『芸術の規則』p. 79の地図、それから、石井洋二郎さんの『パリ―都市の記憶を探る』(ちくま新書119、1997年)と小倉孝誠さんの『『感情教育』歴史・パリ・恋愛』(みすず書房、2005年)を大いに参照させていただきながら、説明しました。どうでしたか?パリの街の「色分け」のようなものが少しずつ見えてきましたか?最後に、バルザックの『ゴリオ爺さん』のラストシーンのラスティニャック君のセリフとか、セリーヌの『夜の果てへの旅』に出てくるパリのおいしいケーキの三角地帯という表現とかを思い出したので、それをついでに紹介しました。皆さんも少しずつパリの地図に馴染んでいっていただきたいと思います。来週は、今日ちょっとだけ触れた「城壁」の話を、いくつかの文学作品と絡めて、してみたいと思います。それでは、また。