今日は、第49番の詩「貧民を撲り倒そう!」を76行目まで読みました。1865年1月のプルードンの死をきっかけに書かれた詩であると言われています。平等をめぐる革命思想なら、私のほうが上だよ、とでもいうように、半ばは冗談めかして、思い切りいたずらっぽく、過激な暴力の応酬による平等の実現、友愛の実現を描いた、これもまた実に印象深い一篇です。「戦い」のバイオレンスを描いている点では、たとえば「駄目なガラス屋」と共通点がありますが、しかし、こちらのほうが、はるかに、直截的です。若い頃にボードレールも関わった1848年の二月革命や六月蜂起の頃の実際の思い出と、緊密なつながりがあるのかもしれませんが、とりあえずは、プルードンへの少し遠回しな追悼のテクストと思えばいいのかもしれません――マニュスクリには、ラストに、Qu'en dis-tu, citoyen Proudhon?(市民プルードンよ、君はどう思うかね?)とあるそうです。さて、この授業も来週で最後となります。次回は第49番の66行目からの部分を再度じっくり味読してから、50番目の詩篇「けなげな犬たち」をざっと眺めて終わりといたしましょう。最後の予習を、どうぞよろしく。