今日は、第29番「気前のよい賭博者」の最後の段落を読み終えてから、第30番「綱」(というか、ニュアンス的には「紐」の感じ)に入り、62行目まで読みました。マネが助手として使っていた「アレクサンドル少年」の自殺は1860年のことだそうで、マネが友人であるボードレールに語ったであろう「実話」に基づくものであるせいか、この30番には、リアルな迫力があります。母性愛は、ごく自然な現象に見えますが、この散文詩の「私」によれば、それは「最も自然な幻想」であって、自分はすっかりその「幻想」に騙されてしまった、といいます。さて、自殺した少年の母親は、果たして、どんな行動に出るのでしょうか?来週をお楽しみに。