今日は、「海辺の墓地」の第18詩節と、それについてのローラーさんの注釈を読み、いろいろと考えてみました。最初、ローラーさんの注釈の文章が難解で、何を言おうとしているのか、みんなで知恵を絞ってみましたが、よくわからず、困ってしまいましたが、もう一度、ヴァレリーの詩の文をゆっくり味わってみると、次第に光がさしてきて、ローラーさんの言わんとしていることが輪郭を帯びてきました。この第18詩節で支配的なのは、「不滅」という慰めの概念に頼る態度への激しい嫌悪の調子に他なりません。最初の二行でヴァレリーはそれを十分に表象しきっていることが、注釈の難解さを通して逆にはっきりしてきました。こういう読みの経験も、なかなか味があります。最初は、どうなることかとも思いましたが、終わってみれば、今日も収穫があったと感じます。第19詩節のほうに少しだけ入りましたが、詳しいことは、また来週にやりましょう。