最終回(筆記試験)

 今日は筆記試験を行いました。「20世紀前半のフランス文学の作品(ひとつないし複数)について、関心のあるテーマを設定し、1600字程度(多少の増減は許容)で自由に論じなさい。資料等の持込は不可とする」という設問。つまりは小論文の試験でした。受験者19名のうち、サン=テグジュペリ関係(ほとんど『星の王子さま』)が8本、ブルトンの『ナジャ』が4本、ジッドが3本(『贋金つくり』2+『田園交響楽』1)、コレットの『シェリ』が2本、セリーヌの『夜の果ての旅』が2本という構成でした。一年生の人文社会総論のレポートでも、私が担当した35本のうち10本までが『星の王子さま』でしたが、フランス文学概論の小論文でも、やはり根強い人気があるのですね(もしかすると、『星の王子さま』は、レポートや小論文で「扱いやすい」部分があるのかもしれない、などと言ったら、語弊があるかもしれませんが、これだけ数値的にはっきり出ると、そんなふうに思ってしまいます)。私としては、もっと皆さんの独自色に期待するところがあったのですが、全般に授業で扱ったテクストに触れるものが多い結果となりました(みんな「忙しい」のかなあ?)。これからじっくりと読ませていただきますが、評価のポイントは、十分な「読み込み」が感じられるか、その結果として十分な説得力があるか、といったあたりです。とにかく、これで一段落、お疲れ様でした。10月からは、20世紀後半の作品を読みます。休み中に、何か一冊、読んでおいてくだされば幸いです。それでは、どうか、皆さん、よい夏休みを。