今日は第14番の詩「年老いた大道芸人」のテクストを71行目まで読みました。この詩も前に読んだ第5番「二重の部屋」と同じく、前半部と後半部の明暗のコントラストがはっきりしています。前半部はいわば背景で、描写の半過去形や現在形が支配的ですが、後半部になると物語の単純過去形が出現します。この何もしない年老いた大道芸人の哀れな、そして、静かな姿は、光とざわめきに沸き立つ周囲からくっきり浮かび上がってきて、深い印象を与えます。来週は、残りのテクストを読んでから、このテクストに関するコマンテールを紹介してみたいと思います。