「柘榴」の暗誦をしたのち、ローラーの注釈を読みました。次回はローラーの注釈の残りを読んでから、ピエーロの長い注釈を要約的に見ていきたいと思います。それにしても、暗誦は物質としての言葉そのものに接近するための格好の手段ですね。いつでもアタマのなかで思い出して、それを転がしながら、思わぬイメージや疑問が浮かんできたり、他のことがらと連想でつながったり、というのは実に楽しい夢想です。普段、先を急ぐビジネスライクな読み方ばかりしていると、このように意識的に遅くした付き合いというのは、かえって新鮮で、「詩」に近づいたような感じを持ちます。なるべく、十分に時間をかけたうえでの「暗誦」という文化に、時に意識的に浸ることもよいなあと思いました。では、また来週。