マントの色は緑だった

セーシェル(マヘ島)

 第5課を終えました。『星の王子様』の「著者による挿絵」は、実は、ニューヨークで刊行された初版を除いて、著者サン=テグジュペリによるオリジナルではなかった。パリのガリマール社がフランス版を出す際、オリジナルは行方不明となっていたため、挿絵画家に依頼して初版の挿絵を書き写させたが、その際、写し間違いが生じてしまった(王子のマントの色が緑色から青色になったり、沈む太陽が消えたり…)。そのため、五十年以上もの間、オリジナルとは異なる挿絵のまま、全世界で数千万部という部数が流布。オリジナル挿絵は1994年に発見されたが、残念ながら、ガリマール社はそれを買うことができなかった、というお話。脚注にもありましたが、1999年に初版の挿絵を再現した新版が刊行され、日本でも「オリジナル版」として刊行されています。最近、日本での版権が切れたため、多くの新訳が登場しています。好みの訳に出会えるといいですが、原文はひとつですから、結局、フランス語で読むのが一番自分の好みに合うのでは?
 文法事項では大過去形(avait publie / avaient disparu / avait legue 以上アクサンなし)のニュアンスに注意してください。今日は、授業のはじめに、フランス語のCALL教材が置いてあるウェブアドレス(学内者専用)を受講生の皆さんにお知らせしました。ネット環境さえあれば24時間いつでもどこでも、フランス語の基本事項を段階的に楽しく勉強(復習・反復練習)できますので、是非是非、ご活用ください。