セーシェル(プララン島)

 今日はp.27の10行目(Orの前)まで読みました。「客観性」に続く「批評的もっともらしさ」(旧批評)の第二の規則「趣味」の暴力性について、バルトの批判が展開される部分です。オブジェ(対象、モノとしての言葉)について語ることを禁じる「趣味」は、とりわけ、精神分析の言葉を非難しますが、そこに見えるのは、旧批評における時代遅れで幼稚な人体解剖学であるとして、上・外と下・内の単純二項対立の図式を、ピカールの表現を引用しながら示すところには、やはり、バルトの、淡々としつつも力強い、説得的反論の鋭さが感じられます。
 さて、今日はレポートについてアナウンスをしました。任意の作家・作品について、旧批評的批評と新批評的批評を比べて紹介する、というのが、シラバスに載せた課題ですが、どうしてもぴったりした例が見つからない場合は、任意の作家・作品に関する新批評的批評をとりあげて、その紹介をする、というのでもかまいません。字数は最低2000字(上限なし)、2007年8月3日(金)午後5時までに、今井のメールアドレス宛、添付ファイルでお送りください。授業への出席が十分でない方、授業で発表が当たらなかった方についても、レポートは受け付けますので、可能な範囲で課題にチャレンジされることを願っています。