今日は、まず、今後の授業の予定についてお知らせし、都市の文学をめぐる研究発表の割り当てを行いました。6月26日、7月3日、7月10日に、それぞれ二人ずつ、発表していただきます。人文社会総論のレポート作りと重なって大変かとは思いますが、こちらもよろしくお願いします。さっそく、構想を尋ねると、川端康成の『古都』(京都)、森鷗外の『舞姫』(ベルリン)、ユイスマンスの『さかしまに』(パリ周辺)、井原西鶴鶴屋南北などの江戸時代の都市文学など、さすが、モチベーションの高い皆さん、活発なプランを提示してくれました。内容の変更は自由ですので、とにかく、細部の読解に注意し、論点を絞ったプレゼンテーションを心がけてください。
 残りの時間は、フロベール感情教育』の描写における豊かなイメージ性や、半過去と単純過去の効果的な使い分けといった点について、フランス語を知らない人にもわかるように説明したつもりでしたが、果たして、私のイイタイコトは伝わったでしょうか。先週の講演会をはさんで、合計四回をこの作品に費やしました。まだまだ、面白いところは尽きないのですが、今日でひとまず区切りとします。来週は、「パリ文学名場面集」と題して、いろいろな作品から印象深いシーンをいくつかまとめてご紹介したいと思います。