今日は、授業としては最後となります。ブルトンの『ナジャ』の続きを読みました。アラゴン事件にまつわる偶然の一致の話、そして、ナジャとの食事と散歩の話、いずれも不可思議な「符号」や「接近」の実例でした。しかし、『宣言』にあったように「不可思議はつねに美しい、どのような不可思議も美しい、それどころか不可思議のほかに美しいものはない」とすると、『ナジャ』はじつに美しい物語です。来週は予定通り筆記試験を行います。【19世紀半ば以降のフランス文学のなかから関心のある作品を選んで、テーマを設定し、2000字から2400字程度で論じなさい(資料等の持込は不可とします)】が課題です。がんばってください。