今日は、ヴァレリーの1919年の文明評論「精神の危機」を読みました。第一次世界大戦終結直後に書かれた、歴史的条件の強いテクストですが、詩人ヴァレリー独特の歴史認識やヨーロッパ論の基本がうかがえます。美徳が悪徳を生み、無が無限に豊富でありうる、など、華麗な逆説が炸裂する文章でした。次回(1月11日)は〈後衛〉ヴァレリーとは対照的な〈前衛〉ブルトンを読みます。プリントを私の研究室の入り口ポストに置いておきました。では、皆さん、良い年末年始をお過ごしください。