今日は、『序説』第19段落の終わり(p.132の終わり)まで、読みました。全体の見取り図(p.114)で言うと、第1部を読み終えたことになります。精神の運動を描いた部分(第11段落から第19段落まで)は、かなり難解なところですが、ゆっくり集中して読んでみると、抽象性のなかにも詩的な具体性というか官能性が溢れた表現が多く、じつに味わい深いところです。第18段落の「同一化能力」の脚注におけるエドガー・ポーのポーの綴りのEのうえにトレマが付いている事実は重要です。これは「詩学」への参照が濃厚だからです。この脚注の表記はポーへのオマージュですね。これで前期のこの授業は終わりです。また、10月にお目にかかります。皆さん、どうぞ、よい夏を!