今日は、「アポロンの巫女」の最後の二つの詩節(第22詩節と第23詩節)を、読みました。最終詩節はイタリック体になっています。これは「新しい白い声」による神託を記した碑文であることを示すための工夫でしょう。一時、もうひとつの詩節(第24詩節)を付け加えようとした試みがヴァレリーにはあったようですが、結局現在の形に落ち着いたようです。神託は、人間の言葉を称える賛歌となっています。その言葉を発する声が誰のものでもなく、海や森のものであるというラストの部分は、人間の栄誉である言葉と自然の力の融合を示しているようです。次回は、この詩の解釈について、もう少し紹介したのち、次の短い詩篇「Le Sylphe(風の精)」を読む予定です。予習をどうぞよろしく。