今日は、「レオナルド・ダ・ヴィンチ方法序説」の第12段落の終わり(プレイヤード版p.1164の下から5行目)まで、読みました。哲学者批判あるいは概念主義批判から、「見ること」へと描写は進んでいきます。このテクストはまさしく、思考という運動の描写です。描写するにあたって、何か学問的な立場からの一貫した記述体系があるわけではなく、ヴァレリーはおそらくひとりの詩人=言語表現者として、この描写の物語を紡いでいます。抽象語と具象語がないまぜになった、一見奇妙な表現が続きますが、想像力を刺激する喚起力をもった「描写」は、現代の読者にも、不思議な感銘を与えてくれるように思われます。では、また来週。