今日は、「序説」の第五、第六段落を、読みました。イメージの物理学のようなものを考える部分は非常に面白いところです。また、p.1158で「パスカルの名高い覚書」という言い方が出てきましたが、これは1919年版以降の表現で、1895年の初出では「パスカルの崇高な手帖」という言い方でした。「崇高なsublime」という言い方には、この形容詞を用いる本人の讃嘆の念があると思われますが、「名高いillustres」には、必ずしもそれがあるとは言えない感じがします。欄外注を読むと決定的ですが、ヴァレリーパスカルの「パンセ」を自分自身のための本物のパンセではなく、他人を説き伏せるための麻薬だと厳しく評しています。ヴァレリーパスカル嫌いは、面白いテーマになりそうですが、当面は、「序説」の読みを進めていきましょう。それでは、また来週。