今日は、『旧詩帖』の1926年版に初めて発表されたソネット「皇帝」のテクストをひととおり読みました。ホワイティングさんは、1893年3月22日付のジッド宛ての手紙の文言との共通点を根拠に、若い頃の作品であることは間違いないとしていますが、本当にそうなのかは、議論のあるところです。内容的にはダ・ヴィンチやナポレオンのテーマにつながる点で興味深い詩です。草稿やその他の関連資料が残っていれば、生成論的な観点から丁寧な観察が必要です。これは少し面白いテーマですので、いずれ機会を見て、調べてみたいと思います。次回は解説の残りを読みます。余裕があれば、次の詩篇「友情の森」に入りますので予習をよろしく。