今日は、「ナルシス断章」の47行目まで、読みました。意味だけでなく、というか、むしろ、イメージと音のほうを重視しながら読んでいます。音楽性とか音楽的とかと評する場合の客観的な根拠を示すにはどうするか、そのひとつの例として、ミシェル・ゴーチエの論文の一部を紹介しました。全面的にのめりこむと、ややマニアックになりますので、ほどほどのところで、アリテラシオンやアソナンスを含んだメロディ分析を活用すると、それなりに効果的かと思います。それから、たとえ、どんなにアクロバティックな構文がとられていても、統辞的な基本は素直な場合がほとんどですので、文法的なつながりをあくまでも大切にしましょう。私を見る私、私を映す水鏡、というナルシスのテーマはどうしても映像の二重化(多重化)を招くので、全般に、この詩の読みも一筋縄ではいきませんが、こういう世界も慣れてくると、次第に「感じ」がつかめてくるのではないでしょうか。来週は79行目まで(余裕があれば92行目まで)読みます。