開講しました!

 ヴァレリーの詩集『魅惑』に収録されている未完の大作「ナルシス断章」を読みます。初回の今日は、テクストと参考文献の簡単な紹介を行い、1890年の「ナルシス語る」と1926年の「ナルシス断章」とのあいだにある興味深い距離について、きわめて明快な見通しを語っている、宇佐美斉先生の文章(「ふたつのナルシス」『フランス詩 道しるべ』、臨川選書、1997年、所収)を紹介しました。「ナルシス断章」は全部で314行、しかも、濃密です。どこまで読めるかわかりませんが、とりあえず、一回30行くらいをめどに、ひととおり全体を読み通すことを今期の目標にしましょう。予習をよろしくお願いします。