今日は、p.90の一番下まで読みました。美とは何か、パイドロスは、それは人間の本性を超越させるものだ、と言います。それに対して、ソクラテスは、人間が忘我の境地に入ったり、魂が永遠の聖域を観想したりということはあるとしても、そうした忘我や観想を、身体や何らかのオブジェの存在に結びつけることが出来ません。世界の物質的な美を味わおうとしなかったことがソクラテスの唯一の欠点だ、と、パイドロスは指摘します。パイドロス唯物論的美学とソクラテスの観念論的美学の対比は明らかです。この先、パイドロスは自説を展開して、ユーパリノスの建築美学について語ります。それに続いて、まもなく前半の山場(pp.95-100)を迎えます。予習をよろしく。